この本を書いた目的
なぜ漢文学者でもない私がこの孫子の本を書こうと思ったのかを述べさせて頂きます.
今まで多くの方から孫子は読んでおいた方が良いぞ,とのアドバイスを頂いて来ました.それは人から直接言われたこともありました。また本やテレビ,ネットでそのような論説を読んだこともありました.そして,「孫子」の本を何冊か買ってみました.孫子の注釈本から,「現代に役立つ孫子」あるいは,孫子の名文を引いていろいろと解説したりそれを元に現代の諸問題について述べたりする本を読んでみました.
このような方は多いかと思います.しかしそれで読んでみて何か身に付く様なことがありましたでしょうか.私の場合,まったくありませんでした.このような本を読んでみたら分かります.原文(白文の場合もあれば,訓点の施したものもある)また,書き下し文も載っていて,更に簡単な解説もある.このような本を読む場合、原文は読まず,書き下し文もさっと見る程度で,現代語訳を眺め,そして,解説を読む.これが私の読み方.解説を読むと書いてある事は分かります.しかし,何と言うか,実になった感じがしない.調度例えて言えば,味のない肉を食べているような感じです.このように読んでみた方もいらっしゃるのではないでしょうか.そして私と同様な感想をお持ちの方も多いのではないかと思います.
先日一念発起して論語を読んでみました.再々々々挑戦というところでしょうか。原文をきちんと読まなければならないのではないか,ということに気がつき実行してみました.しかし、原文をただ読むとなるとなかなか大変です。何か工夫が必要と思い、次のようなことを施してみました(次ページ)。
このようにして、しっかりと原著を読むことに努めました。この本は「しっかりと読む」ことだけを目的としています。解釈や解説は一切載せていません。それは他に立派な本が沢山でいますし、インターネットでも容易に見つけることができます。そちらに譲りました。
読書百遍、意、自づから通ず、というものでしょうか。このように繰り返し原文や書き下し文を読むと意味が自然に分かってくることに気がつきました。その上で解説書などを読むと頭に自然に入ってきます。なるほど、このように読むと良いのだな、と体得いたしました。
今まで論語、孫子をこのやり方で読んでみました。するとあることに気づきました。論語、孫子は何のために書かれたのか、あるいは、昔から先人は何を目的にこれらの本を一生懸命読んできたのでしょうか。それは世に出るためです。知識を身につけ賢人となり身を立てるためです。時代は変わりましたが、これらの書物の効能は聊かも薄れてはいないと思います。今の時代、身を立てる、つまり立身出世のためには何をしたら良いのでしょうか。「立身出世」という言葉も時代がかって聞こえますが、どうしたらそれが果たせるのでしょうか。
ある人は資格を取ること、と言います。ある人は何か役に立つセミナーのようなものを聞いて勉強することだと言います。資格と一言で言っても非常に難しい資格もありますし、また、あまり役に立たない資格もある。セミナーと言っても玉石混淆です。お金儲け目当てだけのものも多いものです。しかし、前向きな気持ちを持ち積極的に自分なりにいろいろ考えられて試みられるのは良いことであると思います。しかし、そこまで思うのであれば何故「孫子」をお読みになろうとなさらないのですか。お金も時間もかからない最高の勉強だと思います。
読み方もいろいろあると思います。私ならこのように所々隠しておいて、少しずつ覚えながら読むのが一番抵抗なく進めると思い、このようなものを作りながら五回程読みました。「孫子をマスターした」とはとても言い難いですが、ぐっと身近に引き寄せられたと思います。少なくても「孫子を読みました」と人様に公言できるところまでは来たかと思います。
訓点のついた文章は荻生徂徠の書いたものをそのまま切り張りしました。また、書き下し文は、ほとんどが手書きです。何やら学生時代の「試験対策」のような感じのものとなりました。孫子を効率的に読むための試験対策、と自分では考えております。
拙著をお読みいただき、とにかく孫子を原文で完読され人生の糧にすることのお役に立つことができたら著者としては幸甚この上ないことです。
令和3年1月30日
著者 橋本英樹
この本は、「伏見啓明書店」で販売しております。
500円 税込です。
ご希望の方はメール fushimikeimei_orthop⭐️⭐️yahoo.co.jp(⭐️⭐️を@に置き換える)か、当院 011-563-8400 にご連絡ください。
代金の振り込みは、ゆうちょ銀行か、三菱UFJ銀行。
詳細はお尋ねください。
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